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□’08ホワイトデー企画:跡部
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☆跡部
「なぁ、バレンタインがキスだってんなら、ホワイトデーは何なんだ?」
全く俺様とした事が、馬鹿な質問をしたものだと思う。
とはいえ今更仕方がない。
此の先の展開なんて決まっている。
腐りかかった砂糖のような奴の返答を、いつものように鼻で笑ってやるだけだ。
しかし忍足は目を丸くして、
「せやなぁ…、何やろ」
と首を傾げた。
「…チュウかな?」
「其れじゃ変わんねーだろ。芸がねェな」
結局考えてなかったのかよ。
わざわざ構えて損をした。
「言っとくが、百倍返しだからな。せいぜい足りねェ頭を捻れよ」
肩を竦めてソファに沈む。
と、右頬に唐突なキス。
「ほな、チュウ百回で」
「はァ? ふざけんな、全然捻ってねぇじゃねーか」
「嫌やわぁ、満更でもな」
言い終わる前に鳩尾に拳を叩き込む。
…ハッ、ザマァ見やがれ。
あぁ、心配すんな。
ちゃあんと手加減しといてやったぜ?
end