NO.6

□もしも紫苑がサンタだったら。
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今日は初仕事なんだ!
何だかどきどきしてきた。

白い髪は大丈夫なんだけど、結局白い髭は準備出来なかったんだよなぁ…まぁいいか。

ネズミのところ?
もちろん今から行くよ。
起こしてしまわないように頑張らないとね…。



「って、いつにも増して酷い寝相だよネズミ…」

今にも落ちてしまいそうな上半身。
背中から肩に腕を回して、何とかベッドの上に持ち上げたんだけれど。

「……」
「ぅわ! っちょ、ネズミ?!」

ネズミを下ろす為に前屈みになったところで思い切り抱き付かれて、反転してベッドの上に転がされた。

「重い…っ、離してネズミってば!!」
「…さない」
「え?」


「離さないから、紫苑」


…へ?

え?

何ちょっとネズミ、待っ、

…待っ、……

え、え、ぇえぇええ?!?!





「…おん、紫苑!」
「ぅわぁあ!」

がば、と身を起こすと、そこはいつものベッドの上。
薄明るい室内が朝の訪れを告げていた。

「どうした? かなりうなされてたけど」
「いや……何でもないよ……」

言える訳がない。
あれは…、あれはとんでもない夢だった…。

「それから真っ赤だけど…」
「何でもない! 本当に何でもないから!!」

訝しむネズミをよそに、ぼくは跳ね飛ばしたブランケットを頭まで引き上げて、早々に二度寝を決め込んだ。





―終わっとこう。



+++++++++++++++
夢オチで申し訳ない。

.



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