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□寂 -seki-
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寂 -seki-










君が居なくなった

あの日にとても良く似た空が

頭上に
広がる





今にも

ご覧
泣き出しそうな灰雲と僕



少しつんとした雨の匂いは

辺りに広がり
心の中に広がり

周りの世界から人々を
消し去ってそして







僕を殺した。








冷たい雨の吐息が

いつの間にか空気に馴染んでしまう様に



君の居ない日常が

だんだんと
「普通」に

なっていくのが怖い




君の笑顔も
泣いてる顔も

全て
覚えているのに


ただ


ただ君だけが。










降り頻(しき)る雨に紛れ

流れ
落ちたものは

もう
何だったのか判らない










ああ



今また





一筋の雫が
僕の頬を伝って


重力に引かれ落つる侭

今や
透明であった面影も無く

地を這う
天からの追放者達に呑み込まれ





僕の目の前から

君と同じ様に。







其の存在を


永久に





僕の手を
するりと掠めて。







もう手の届く事の無い










空の彼方に



滲んで、

消えた。




















―了






忍足視点のつもり。
どちらでもいけるかもしれませんがイメージは断じて忍足視点。

好きなんです死ネタ…v そして別れネタも。
非恋も大好きですが。
自分で書くとどうにもこうにもなんで、ぼかす為にも詩で。←でも全然ぼかせてない…。駄文…。



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