NO.6

□I’s ―僕等―
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第一話
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生まれたときから、死ぬことは決まっている。
それがいつになるのかは誰も知らず、そしてそれから逃れられる者は誰も居ない。
死は舞台の終幕に等しい。
始まった舞台は必ず終わり、終幕をもって人々の目の前から消える。
唯一違うのは、舞台は次の日にも開幕する機会を持っているということだけ。
しかしそれでさえも、いつかは最終公演の日を迎える。
人気が出ないか、使い古されたか、はたまた役者が死んだか。
始まったものは総て、どんなに長い期間続こうとも、必ず終わりを迎える。
死なない人間は居ないし、永遠に続く平和なんてものもない。
ならば終わる為に始まるのだと、始まる為に終わるのだと、そう考えることはあながち間違いではないのかも知れない。
死。それは総ての終わりであり、そして総ての始まりでもある。そうは言えないだろうか。
終わらない日はない。しかし、朝が来ない夜はない。

…だとしても、今の時点では、だ。

世界が終わらないという保障はどこにもない。
生が不自然であるのと同様に、寧ろ終わらないという方が不自然。
だから世界の総ては終わりに向けて歩いているのだ。
一歩一歩、着実に自らの死に向かって歩いている。終わりまでの距離はそれぞれに違うけれど。
生まれたときから死に向かって歩き始める、その道程に果たして意味はあるのだろうか?
総てが終わることを知っていて、それでも足掻こうと試みることは無駄な努力なのだろうか。

地平線に呑まれた夕日。
もう間もなく、完全なる夜がやって来る。
西ブロックに闇が生まれる。
朝日に殺される、その瞬間まで。




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