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□SS 『種割れ』
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“ガンダムSEED Destiny記念パーティー”
…何の記念なんだろうか、そもそもガンダムSEED Destinyって何なんだろうか…あいかわらずラクスの考えることは…俺には判らない。
パーティー会場となるホテルのフロントで受付を済ませた俺は、会場まで案内されるままついて行った。
指定されていた時間より少し遅れて到着したため会場に入った所で立っていた。立食形式のパーティーで、カガリやラクス…キラ…他、見知った顔もあちこちで見つけるが、ほとんどが知らない人ばかりだ。ラクスの知り合い…なのだろうか?
イザーク「おいっ…貴様、ボケっと立つな。邪魔だ…」
アスラン「…すまない」
そう言って、その場を動こうと思った俺は聞きなれ、すでに耳に馴染んだ声の持ち主を見上げた
アスラン「イザーク…」
イザーク「…飲むか?」
アスラン「あぁ…」
そう言って、イザークに差し出された二つのワイングラスのうち片方を受け取った俺は、イザークが俺の分を持ってきてくれたことに気づき…邪魔だと言い、あいかわらず変わらないイザークを微笑ましく思った。ワインを一口、口にふくんだ俺は周りから視線を感じ、じーっと見つめられていることに気づく。見ると、知らない人ばかりで…。その中のザフト軍の赤軍服を着た黒髪に赤目の小柄な少年が俺の前に立つ。
「あっ、あのっ俺…シンって言います。シン・アスカです。この間はお世話になりましたっ…」
そう言って彼は右手差し出す…よく判らないが俺は言われるままに、彼の手を握り返した。