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□SS 『far more,please』
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「―……でしょう?」
くすくす、と穏やかなキラの笑い声。
向こう側には、おそらく神とキラがいるのだろう。
白い特殊な布で遮られており、キラの細い影だけが映っている。
その姿だけで、こんなにも。
…こんなのは、違う。
くしゃり、報告する筈だった書類を握り締める。
「…気に入らないな」
羽根を半ば乱暴に広げると、振り切るように飛び去った。
アスランは特異な天使だ。その普通よりも質量のある羽根の存在が何よりもの証。
それゆえに、高位に置かれており神に近づくことが許されている。
それと反してキラは羽根がなかなか生えなかった。
だから、力無いキラをアスランが守ってあげる。そんな構図がいつの間にか出来上がっていて。
キラは気にしていた様だったけど、俺はキラを守ることを出来ることが誇らしかったし、嬉しかった。
二人で、一対だったのに。
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