g i f t

□SS 『far more,please』
1ページ/8ページ





「―……でしょう?」

くすくす、と穏やかなキラの笑い声。
向こう側には、おそらく神とキラがいるのだろう。
白い特殊な布で遮られており、キラの細い影だけが映っている。
その姿だけで、こんなにも。

…こんなのは、違う。
くしゃり、報告する筈だった書類を握り締める。

「…気に入らないな」

羽根を半ば乱暴に広げると、振り切るように飛び去った。
アスランは特異な天使だ。その普通よりも質量のある羽根の存在が何よりもの証。
それゆえに、高位に置かれており神に近づくことが許されている。
それと反してキラは羽根がなかなか生えなかった。
だから、力無いキラをアスランが守ってあげる。そんな構図がいつの間にか出来上がっていて。
キラは気にしていた様だったけど、俺はキラを守ることを出来ることが誇らしかったし、嬉しかった。

二人で、一対だったのに。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ