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□夢のまた夢
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「あのね」
これは夢だろうか
「実は…」
あぁそうか夢か
「…子供出来たみたい」
だって、アリエナイだろ?
「……こども?」
「うん。子供」
いつもなら、頬を赤く染め紫の瞳を伏せ恥ずかしそうに俯き微笑むその人の顔を見るだけで、心臓がドキドキして何だか分からない衝動に駆られるのに
今は頭が真っ白で、別の意味で心臓がドキドキしてる。
「………えーと………今日はいい天気ですねー」
「?僕には宇宙空間に見えるけど?」
「………今日のお昼は何でしたっけね」
「僕の話聞いてた?」
大丈夫です。聞いてます。右の耳から入って左耳を通って外へ抜けていますけど。
それにしても俺達って、いつのまにそういう行為をしてたんですかね。
と言うか、それ以前にどうやって子供産むんですか?
あぁ。最高のコーディネイターは『最高』ってつくだけあって、男性でも子供産めたりするんですか。そうですか。
……何て、俺が少し現実逃避をしている間に、事態は更に最悪な方向へ向かい始めていた。
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