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□習慣
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ふと気がつくと


いつも金髪の彼の姿を目で探していた






「レイ見なかったか?」

ミネルバ内通路。

たまたますれ違ったヨウランにそう尋ねると、あっちでルナマリアと話していたという返答が返ってきたので、俺は格納庫へと向かった。
辿り着いた出入口で、ふわふわと動く体を壁を掴むことで止めた俺は、広い倉庫内に忙しなく視線を動かす。
そして、たくさんの人と機体で埋もれた一角

「…いた」

遠目にも目立つ赤の軍服を発見した俺は、掴んでいた壁を軽く押すと格納庫を斜めに横断した。
近づくにつれ明確になる人物。
案の定それは探していた2人の姿で
声をかけようと口を開きかけるより前に、青い眸の青年がこっちに気が付いて視線をちらりと向けた。

「シン。あんたも機体の整備?」

レイの視線に気付いたルナマリアが振り向く。
止まらない体を、レイに腕を掴まれることによって止めた俺は、彼女のほうに顔を向けた。

「いや。ヨウランに聞いたら、レイがルナマリアと話してるって言ってたから」

「あぁ。レイに用事?もう済んだからいいわよ。レイも悪かったわね、引き止めて」

「いや。それで何の用だ?シン」

「え?」

改めて問い掛けられて
俺は言葉に詰まった。


そういえば…何で探してたんだっけ?


「別に…用はないけど」

その言葉にルナマリアは大げさに眉を動かした。

「用はないって…レイを探してたんでしょ?」


確かに探してたけど

ただ姿が見えないから気になっただけで


もごもごと口籠もり視線を逸らす俺に、ルナマリアはこれまた盛大に呆れたようにため息をついた。

「あんた。それってまるで…」

言葉の途中で整備士に呼ばれたルナマリアは、すぐ行きます。と返事をすると、ちらりと俺を見ただけでその場を離れた。
彼女が何を言いたかったのか気になるが、とりあえずレイが見つかったし用事は済んだので、俺も帰ろうと床を蹴った所でレイに再び腕を掴まれた。

「何だよレイ」

勿論それ以上進める筈もなく
振り向くとレイは相変わらずの無表情のまま口を開いた。

「俺を探していたんだろう?」

「だから用事はな…」

「俺にはある」

「え?」

何だろうか?とレイの言葉を待っていると、彼はそのまま俺の腕を軽く引っ張り背を向けてしまった。

「食事まだだろう?」

背を向けるほんの一瞬
レイの表情に珍しく笑みが浮かんでいた気がして
何か嬉しいことでもあったのか?と、俺は首を傾げながらレイの後ろ姿を追った。










end



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