SS

□相思相愛
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「俺、アスランさんが好きです!」


「あぁ。ありがと」




すごく緊張して
些かドキドキしすぎる心臓に、軽く目眩まで感じながら
やっとの思いで告白したのに…



元エースパイロットの英雄にあっさりと返された。




「…意味わかってます?」

「ん?君は俺が好きなんだろ?俺もシンが好きだよ。それより部屋に戻らなくていいのか?」


そんな事より大事な事があるだろ!


「…それだけですか?」

「何が?」

「俺達、両思いなんですよ?」

「そういえば…そうなるのかな」


天然なのかアホなのか


別の意味で目眩がしてくる。


「…わざとですか?」

「何が?」

きょとんと首を傾げるソイツに
俺の感情は沸点に達した。


「っもういいですっ!」



こうなったら実行あるのみ!



ぐい


ちゅっ



「これでどうだ」


襟元を掴みお互いの顔が至近距離のまま
口元に弧を描くと
目を見開いたまま反応一つせず凝視されて
だんだん居心地が悪くなってきた。



まずかったかな

本当に天然だったのかな



思わず視線を逸らした瞬間




ちゅっ




「!?」

「こういう意味なんだろ?」


再び触れた口唇

慌てて見上げたそこには

確信犯な笑顔


「だっ…アンタっ!」


もしかしてからかわれてた!?


「だから俺も好きだと言ったろ?」

悔しさに精一杯睨み付けると再び顔が近づいてきた。



「けど…まさか先を越されるとはな」






だから



もう一度




      end

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