隔離文
□執愛
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「アンタだろ!?部屋をめちゃくちゃにしたのは!」
問いを無視して放たれた言葉に、キラは眉を寄せた。
「めちゃくちゃだなんて、心外だな…。気に入らなかった?」
「気に入るわけないだろ!あんな所狭しと俺の写真貼った壁!しかも絶対、隠し撮りだし!嫌がらせとしか思えないだろっ!?」
そう
まさに、嫌がらせ以外の何物でもない、あの部屋の惨状
思い出すのも腹立たしいそれが、脳裏を鮮やかに過る。
毎度の事ながら、こんな事をするのは一人しかいない訳で
まだ怒りが納まらない…というように、叫んだまま肩を震わせているシンに、キラは不思議そうに首を傾げた。
「シンの可愛い写真を貼ってあげただけじゃないか。みんな、僕のお気に入りの写真ばかりだから、可愛いだろ?」
「自画自賛するのはアンタだけだ!レイには冷たい視線で、無言の威圧を胃に感じるし。迷惑。今すぐ全部剥がせ」
シンは、言い訳は聞かない…というようにそう言い放ち、睨みつける。
大体、自分の部屋いっぱいに明らかに隠し撮りであろう自分の写真を貼られて、喜ぶ奴が何処にいるんだ!?
思わず腕に立った鳥肌を擦るシンに、いつもなら渋るであろうキラは、妙にあっさりと頷いた。