隔離文
□耳鳴り
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最後に見た光景を
今でも覚えている
閃光
爆風
体を地に打ち付け
その衝撃にふらつく足で、再び立ち上がった其処には
剥き出しの大地
抉れた地面
紅い焔
その風景に溶け込むかの如く存在する
異質な肉片
其処を中心に広がる紅
それは人間を…家族を形成していたモノで
現実というにはあまりに残酷な光景に凍り付いた
発した声は音にならず
救いを求めるかのように、ふらふらと視線を彷徨わせる
理解出来ない
理解したくない
父さんは…母さんは…マユは…?
仰ぎ見た空
溢れだす慟哭
「……………」
『……んっ!シンっ!』
「っ!?」
びくんっと体が大きく揺れた。
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