隔離文

□無題
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※フレユリ考察のボツ。
※ちょっと定番ネタすぎた。
※ユーリ総受っぽい。

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「ユーリは、気付くといつも何だかんだで厄介ごとに巻き込まれてるし、目の前にいる困ってる人を放っておけないから自ら進んで面倒ごともよく起こすし突っ込んでもいく。その頻度は、わざとなんじゃないかって疑っても可笑しくないくらい頻繁だった所為で、昔はよく胃痛を患っていた僕の胃も最近は並大抵の騒動では痛まないほどに鍛えられました。ユーリ限定で。これも一重にユーリのおかげです。他にも色々言いたい事は山程ありますがキリがないので省略しますね。それで、結局なにが言いたいのかというと、彼とともに歩くことは並大抵の努力では無理だと思うんです。もちろん、そんな破天荒な彼だからこそ惹き付けられるということも、彼の魅力の一つとして十分理解しているつもりです。ですから、彼の伴侶となる人にはユーリの尻拭い…もといフォローが出来て何があっても笑って流せるような精神的に強く逞しいひとでなければ、僕は安心して彼の全てを任せられないという結論に至った訳です。つまり、ユーリをお嫁さんに貰いたければ僕を倒せ!さもなくば、僕はユーリを僕以外の人に託すことを認められない!」


拳を握りそう宣言した彼へ、遠巻きに眺めていたユーリはただただ生暖かい眼差しを向けた。


「なぁ…、俺はどこから突っ込めばいいんだ?どうしてその結論に至った。最後の繋がりとか、あきらかに可笑しいだろ」

「さりげなーく、ユーリは俺の嫁!って宣言してるとこじゃない?」

「え!?もっと他にあるよね!?」


同じく、生暖かい眼差しをこちらはユーリへと向けていたレイヴンに、半眼のカロルが律儀に突っ込みを入れる。
一方
その宣言を、距離を置いている男性陣とは逆に間近で聞いていた女性陣は、少しの沈黙のあと色んな意味で沸き立った。


「あら。だったら団長さんさえ倒せば私もユーリをお嫁さんにもらえるってことかしら?」

「立候補するのじゃ!」

「わ…私もユーリをお嫁さんに貰いたいです!だから立候補します!」

「エステルー!?お願いだから早まらないでっ!」


何やら騒がしくなったフレンの周辺を余所に、男性陣は更に距離を取るべく移動を開始する。


「それにしても、あれよね。立候補してるのが全員女性ってとこが羨ましいわ。青年ったら、より取り見取りじゃない」

「……最終的な自分の立場が女性陣の嫁でもか?」

「すみませんでした」


謝るレイヴンの隣を歩くユーリからの反応は乏しい。
まるで無心の草木。もしくは投げ遣り。
案の定、起こるべくして起こった乱戦を、安全圏へと避難した男性陣はその場に腰を下ろして傍観体制に入った。
もちろん、危うくなったらすぐさま止めに乱入するつもりのユーリは、武器を片手にいつでも駆け出せる準備をしているが。
ただし、ジュディス以外に限る。
決して、戦闘狂を途中で止めたら逆に返り討ちにあいそうだから。とか思ってない。
エステルとリタがタッグを組んでいるようだが、最終的に一騎討ち状態に持ち込めるのは仲間達曰く戦闘狂2、3のジュディスとフレンだろう。
残念ながら、戦闘狂1と称されるユーリは、気力を大幅に削られたので不戦敗だ。
何故か全く悔いはないけど。


「いやでも、うちの女性陣は男前だわ。みんなかっこよく見えるもの。…リタっち以外、奪い合ってるのが嫁にする男ってとこに目をつぶればね。ところでユーリとしては、誰のとこに嫁ぎたいわけ?やっぱジュディスちゃん?」

「それはおっさんの願望で妄想だろ。それに、俺の場合は…考えるだけ無駄だな」

「……ユーリも大変だね」


カロルから向けられる同情混じりの眼差しをユーリはスルーする。
虚しくなるからだ。
暫し、大人しく思いの外善戦している争いを遠巻きに眺める。


「……みんな、ストレスがたまってんのかねぇ」

「…ストレスの捌け口で俺の嫁ぎ先が決まるとか冗談じゃねぇよ」

「だったら、トーナメント方式にして決勝戦はユーリと対戦って事にしたら、どうかな?」


ユーリも納得してから嫁ぎたいでしょ?と聞いてくるカロルに、そういう意味でもねぇよ。と突っ込む気力すらすでにユーリには残ってなかった。
あ。エステルとリタが離脱した。と呟くカロルの声を聞きながら、ユーリはぼんやりと乱戦を眺める。
そもそもだ。
何やらフレンが、くだらない事をぐだぐだと主張していたが
ユーリからすれば、それは全て無駄なことだった。
この乱戦含めて
何故なら


「…俺は、別のやつのとこへ嫁ぐつもりはこれっぽっちもないんだけどなぁ」


つまりはそういうことである。


「…え?」

「え…?」

「ん?」


ぽかんと口を開き目を丸くして振り向く二人にユーリは首を傾げた。








end






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すでにフレンの元へ嫁いでる気になってたユーリとかどうですか。

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