隔離文

□無題
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※アシュルクを書こう→ガイも絡ませたい→あれ?ガイしか出てない?→じゃぁガイルクに方向転換→…したつもりが、何かルークが二股かけてるみたい…?な話です。
※色んな意味で中途半端だし修正するにもどこを削除すれば…な感じになったので、このまま晒します。

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気付いたらよく分からない展開になっていた。



順番に説明すると

ナタリアが新作の料理をみんなに内緒で発明(だってあんな残念な料理、俺は知らない)。それが瞬く間に全員へと知れ渡り、各々その料理を食す勇者に選ばれるのを回避するのに必死になっている時、運がいいのか悪いのか(少なくとも俺達にとっては救世主になりえる人物だった)アッシュから不定期連絡。気付けば(むしろ、率先して矛先を誘導していた軍人が一名)ナタリアの料理のターゲットは、俺達からアッシュへと変わっていた。
多分、ナタリアとしては食べて貰えるなら誰でも良かったのだろう。むしろ、予想外にアッシュに食べて貰える事になって一番喜んでいるのかもしれない。

そして今
みんなが(主に二人が)アッシュにとどめ…歓迎すべくナタリアを唆し、更なる発明品目を増やそうとしている最中で、現在に至る。
さすがに良心が咎めるのかティアが被害の規模を少しでも小さくすべく、さりげなく品数を減らそうとしているが、傍目から見ても明らかに押し負けていた。そのうえ、当のナタリアもヤる気(あえてボカしてみる)満々だから、最早誰にも止められない(助長しているのが約二名)。
そして、


『これでアッシュもイチコロですわね!』


とか、本人はその言葉の意味をどう捉えて使っているのか分からない決意でもって高笑いをしていたりするから手に負えない。
そんな訳で、俺はそれらの一連の出来事を被害の及ばない少し離れた所から傍観者のごとく黙って眺めていたのだが…
ただ
アッシュが、どうイチコロになるかは分からないが、俺がいま言える事はただ一つ


「あれ……一撃必殺の間違いだろ」

「否定したいけど否定出来ないところが悲しいな」

「っうぉ!?」


思わず呟いた独り言に返事が返ってきて驚いて振り向けば、いつからいたのか斜め後ろに立っていたガイが苦笑を浮かべながら首を傾げていた。


「どうした、ルーク?」

「いや…、いつからいたんだ?ガイ」


そういえば、この男はナタリアの最初の騒動の時にはもういなかった気がする。もしかしたら、最初からいればナタリアを止められたんじゃないかと思い見つめていると、ガイは腕を組んで何かを思い出すように視線をやや斜め上へと滑らせた。


「うーん…そんなに前ではないが…、一撃必殺の辺り…からかな」

「中途半端だな」

「俺が悪いのか?」


苦笑するガイを見ながら俺もまた思い出すように視線をずらす。そういえば、朝から見なかったような…?と今更ながらに気付き、その事実に一瞬だけ愕然としたが、すぐにそんなに驚く事でもないか?と思い直す。
今回のように何日か街に滞在している時なんかは、ガイに限らず誰か彼か買い出しで夕方まで会わない事だって珍しくない。だから今日も、何か用事があってガイだけ朝からいなかったのだろう。


「……で?」

「へ?」

「何か気になる事があるんだろ?」


いや。何か、したい事か?


そういって片目を閉じて見下ろすガイに、俺は思わずたじろいだ。
いつも思うが、何でガイは俺の事がこんなにも分かるのだろう。親友だからか?
笑顔で促された俺は、迷いつつもさっき思いついた事を口にした。


「…ナタリアの料理だけじゃ、さすがにアッシュが可哀想だなと思って。こっそり口直しできるのを何か買ってきてやろうかと思ったんだけど…」

「なるほどな」


結果が分かっていない内から断定するのは少しナタリアに失礼かなとも思ったが、ガイも何も言わずに同意してくれたので思わず二人で見つめ合ったまま乾いた笑いを零す。本当に悪いと思ってるんだけど…アレは見た目からして、約9割は想像通りの味だと思うんだ。
そして、顎に手を当て何やら考えこんでいたガイは構えを解くと頷いた。


「……よし。俺もつきあうよ」

「え?」

「あっちはもう…俺では、どうにも出来ないからな」


腰に手をあて見つめる先には、未だティアが頑張っているようだったけれど、3対1…しかも多数派にジェイドとアニスが組んでいるなら状況が覆る事はまずありえないだろう事は俺にだってわかる。ティアもそろそろ諦めたらいいのにな…と苦笑いしつつも、ガイがついてきてくれる事には異論はなかったので俺も頷いた。


「…それもそうだな」

「さて。そうと決まれば、あいつらが移動する前に行くか」


アッシュが、これからこの街に向かうと連絡があったので、多分ナタリアは待ちきれずに街の入り口まで迎えに行くだろう。その時までに戻ってくればいい。

そう思った俺はガイと一緒に、いまだ騒々しいナタリア達を横目に宿を出た。













露店や出店が立ち並ぶ街道を流し見ながら二人で並んで歩く。
時折、立ち止まり品物を物色しながら俺は頭を悩ませていた。


「そういえばルーク、何を買うのか決めてるのか?」

「とりあえず、色々見ながら考えるつもりだったんだけど」


口直しのものを…とはいったが、具体的なものを全く考えていなかったしガイに声をかけられるまでは買いに行くのかすら迷っていたので、いざたくさんの品物が並ぶ店舗を見てもなかなか決まらない。


「菓子とかはどうだ?」

「菓子…、アッシュ食べてくれるかな」

「確か、嫌いではなかったと思うぞ?」


正直、何でもいいんじゃないかと思っている。ただ一番重要な問題は、それが口直しになるか否かではなく、差し出したものをアッシュが快く受け取ってくれるかだ。もしかしたら受け取ってすらくれない可能性がある。むしろその可能性のほうが高い。
理由は、それを買ってきたのが俺だから…だとか、そもそもナタリアの料理に口直しは必要ない(根性で食う)的な…。あいつなら、ナタリアに関してはむしろ後者な気がしなくもない。そう考えると、余計なお世話かとも思うが…ナタリアの料理だし。もっとも、それこそ一撃必殺で失神したら別の意味で必要なくなるが。







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