隔離文

□無題
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※イメージ先行で書いたまま手直ししてないので、多分おかしな部分があるかと。
※血とか若干グロい表現があるので、苦手な方は注意。
※中途半端です。

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それは夢だった

それは


まぎれもない夢だった













空は緑
地面は紫
雲はピンク。

地平線まで障害物がなく、果てまで見渡せるほどに広大な大地。
何もない世界。
黒い砂塵が舞い上がるそこはまるで荒野。

そう
何もないのだ

これだけなら"世界"が異常だと疑うところだが
そうも出来ない理由がもう1つ。
この"世界"に存在する己の肉体が、まるで浮遊しているかのように空中で逆さまに固定されているのだ。
己の知る世界の文明は、道具や術なしに浮く術をいまだ見つけていなかった筈。

では

こうして媒体を介する事なく浮いている己こそが、普通ではないのか
あるいは、その認識事態がこの"世界"ではおかしいのか


声を発する為に肺を空気で満たす。
実際に出たのは空気が漏れる感覚だけ。
声が出ないのか耳が聞こえていないのか
あるいは、両方か


何かがおかしい


いやおかしいのは自分かもしれない
この"世界"で、異端の存在なのは己か

この"世界"が、異常なのか。


まるで噛み合わない極彩色に囲まれた"世界"で
助けを請うかのように叫び続ける。








だれか


だれか…



漏れる擦れた吐息。






だれかいないのか?



わたしはだれか…?













砂塵もろとも息を吸いこんだ瞬間
"世界"がぐるりと反転した。
急速に空間が収束し何かを形取る。



世界が反転などするはずがない。
己が反転したのだ。
その原因に思い当たるのと同時に、感じる重い眩暈。
脇腹の激痛。
軽く頭を振り脇腹に手を当てるが、感じるのは布の感触だけでそこに濡れた触感がない事に安堵の息を吐く。

大丈夫
ただの打撲だ。

再び揺らぐ視界。
固く目蓋を閉じたまま、胃から込み上げるものを必至に堪える。
その最中に己へと明確な意志でもって接近してくる気配に、かろうじて手放していなかった剣を握りなおすと、無意識に振り払った。
振り払った腕の先。
薄く開いた視界に、残像を残して吹き飛び重音を響かせながら倒れる物体を確認する。
辺りは緑の木々が覆い茂り、抉れた茶けた地面。
空は青。
倒れたものは見覚えがある形。
魔物
ガイの心配そうな声に手で答え、次いで別方向から飛んできた声はおそらくティアだろう。
ちらりと見た後方、浮かぶ譜陣の中で詠唱に入ったティアへとガイが援護すべく駆け寄る後ろ姿が見える。
それに返事をすることもなく地面を蹴ると、近寄る魔物の頭上目がけて高く飛び上がった。
背後の太陽の光に目が眩んだのか動きが止まった眼下の巨大な体躯の上
その額へと垂直に剣を突き刺す。
堅い感触に手の痺れを感じたが、着地した勢いのまま剣をねじ込むと吹き出す血飛沫。
そのまま両足を支えに剣を抜き、傾く魔物を蹴ることで自らもまた後方へと飛び距離を取った。
足を滑らせながらも土色の地面に着地すると同時に上がる振動に、体勢を低く構える事でバランスを取る。
それに一拍置いて、今度は真横の茂みからアニスの攻撃と援護射撃をしているナタリアの降り注ぐ弓矢によって逃げ場を失った小柄な魔物が姿を現した。
こちらに背を向けたまま後退してくるその無防備な背中へ突進するべく腰を捻ると、地面を蹴り走りだす。
躊躇う事なく切り伏せた所で、離れた所にいた残り一体を目がけてティアとジェイドの譜術が発動し、それによっておこった突風に思わず目を腕で保護した。
2つの音とガイの剣が鞘に収められた音から察するに、どうやらあちらも戦いは終了したようだ。
あがる歓声と話し声。
一向に静まらない乱れた息に、あげたままの腕で額の汗を拭った。
未だ燻る衝動は、満足に発散出来なかった欲求故か。
ふと、擦った頬。
下ろした手の甲についた紅。
それを無意識に口元へ運ぶと、その液体に乾いた舌を這わせる。
何処か甘く感じるそれに舌が痺れた気がした。










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戦闘を書きたかったのと、他にもまだ書きたかった事があった筈が、忘れてしまったので没に。
勿体ないので、いつか再利用したい。

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