連載

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「…君がレイ君か」

「…はい」

「ハジメマシテ」

「初めまして」

「………。」



レイと2人、初詣から帰ってくると
アスランが玄関先に仁王立ちで俺達を出迎えた。
珍しい…という以前に何で玄関先で塞ぐように…しかもレイを睨んでいるかのような視線を向けているのかが分からなくて
俺達はただ立ち尽くしていた。






朝、レイと初詣に行く旨をキラに伝えたら、今日は新年の挨拶に知り合いが集まるから、ついでにレイも連れて来いとキラに言われた。
案の定、参拝後そのまま帰るつもりだったレイを俺は必至に留めて連れてきたのだが…。

「…シン」

「俺に聞くなよ」

お互いアスランの前から一歩も動かないまま…否、進めないまま、レイが何か言いたげな視線を俺に向けてくる。

俺にだって今の状況が分かる訳ないだろ!

そもそもレイを呼んだのは、キラであってアスランではない

そんな事をレイと2人視線でやり取りしていると、アスランはこれまた珍しい笑顔で…といっても笑ってるのは口元だけ…凍えた鋭い視線をレイへと向けた。
火花が見えるのは俺の目の錯覚だろうか

しかも一方的


「レイ君」

「はい」

「シンとは恋人だそうだね」

「はい」

「いつから付き合ってるのか聞いてもいいかな」

「一年になります」

「そうか…一年も」


笑顔が恐っ!


アスランは始終笑顔でレイは始終無表情で

一見穏やかそうに見える光景なのに何でこんなに寒気がするんだろ。

というか


この2人ってこんなに仲悪かったか?


アスランは自分が興味のない他人には当たり障りのない態度しかしない
だからレイに関しても今まではそんな感じだったんだけど…
今の態度はどう見てもレイの事を快くは思っていない様子で
どうしたらいいものかと困り果てていると、漸く廊下の奥からキラが出てきた。

「おかえりシン」

「…ただいま」

「レイ君もいらっしゃい…って聞こえてないか」

キラは苦笑いを浮かべた後、俺に向かって手招きをした。

俺だけ来いって事か?

レイを置いて?


少し不安になったがアスラン同様レイの眼中にも俺の姿が消えてるみたいだから、大人しくキラの所へ向かう事にした。
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