連載
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※カガマユは姉妹で、3兄弟の従姉妹。
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「…ぁ……っ」
またか…
朝日が登りきった時刻。
寝呆け眼で扉を開けた俺は、途端に聞こえてきた嬌声に、正面にある扉へ虚ろな視線を向けた。
俺の部屋の正面
次男、キラの部屋。
今ではアスランとキラの寝室…と言ったほうが正しいか
そんな訳で
今、キラの部屋で何が行なわれているかなんて、漏れだした声を聞けば一目瞭然で
朝からよくやるよなぁ
少し寝癖のついた髪を指で更に掻き乱すと、俺はそのまま覚束ない足取りで階段を下りた。
低血圧な所為か少しぼーっとする頭でそのままキッチンへと向かうと、グラスに水を注ぐ。
誰もいない静まり返った部屋に微かに響く声にも似た音。
蛇口を締め、階段のほうへちらりと視線を向けた俺は、グラスを傾けると冷たい液体を喉に流し込んだ。
まったく
夜にヤってんだから朝にもヤらなくたって
そこまで思ってふと手を止めた。
もしかして
朝‘まで’か?
グラスを傾け水を口唇に触れさせたまま半眼で虚空を見つめる。
……あまり、考えない事にしよう
そう結論付けた俺は、グラスを置くと大分すっきりした頭でリビングへと向うと、未だ微かに聞こえる音を消すかのように、TVの電源をONにした。
そして、振り向いた先のテーブルの上には、きちんと用意されている朝食。
今朝もアスランが作ったのだろう。
「いただきます」
いつものように一人椅子に座り手を合わせると箸を持った。
今日は俺の好きな和食
やっぱり朝はしっかりしたものを食べないとな
時折TVの情報番組に目を向けながら、俺は皿の上の料理を片付け始めた。
ぴんぽーん
軽快な音のチャイムにソファで雑誌を読んで寛いでいた俺は玄関へと向かった。