連載

□W
2ページ/4ページ



2人の剣幕に押されて口を挟むのを躊躇っている間にも話は進んでいく。


「危なっかしいのはアスランのほうだろ!?機械が友達のくせに!」

「……そんな事言うなら、俺の友達のトリィを返して貰おうかな」

「トリィは機械じゃない!僕の友達だ!」



別にアスランの友達が機械でも

機械がキラの友達でも


俺にとってはどうでもいい話だ



「とにかく!シンは僕と寝るの!」

「俺だ!」



こういうのを何て言うんだっけ




…………眠すぎで頭が回らない



無駄に過ぎていく時間。

止まらない欠伸。

いいかげん眠いから、早くどいて欲しいなぁ…なんて思いながら俺は髪を掻き混ぜる。


…前髪ウザったいな


「アスランだって朝見てただろ!?シンは僕‘が’好きなんだよ!」


そういえば…アスランって何か腕に抱いてないと眠れないんだっけ


「馬鹿だなキラは。シンは今、思春期だから俺がいる前では恥ずかしかったんだよ」


抱き癖のあるキラならわかるけどさ

アスランは抱き枕って柄じゃないだろ




………ん?


という事は…


「シンは僕の弟だ!」

今目の前で起きている(痴話?)喧嘩は


「俺もだろ」




今日の抱き枕争奪戦?


イコール俺か!?





「前から思っていたけど…君は捻くれてるよね」

「俺も前から思っていたけど…素直に受け取りすぎだよな、お前」

そうだとしたら

関係ないなんて言ってる場合じゃない。


「「ふふふふ…」」


俺の安眠が妨害されるのは必至だ。


ところで

さっきから、やたらと寒気を感じるんだけど…風邪だろうか。



「ちょっと待…」

「でも僕…そんな捻くれたアスラン…好きだよ」

「俺も…素直なキラが一番好きだよ」

「…………。」



 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ