隔離文2

□無題
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※幼なじみコンビ可愛いですよね。
※特に、ジュードがレイアに対して色々と少し雑になる所が萌えます。
※どちらかというと、ジュ+レイ。
※時間軸は不明。
※エレンピオスが日本風。
※少し早いですが正月ネタ。

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「ジュード!あけおめ!」


文字にするならまさしく、ばーん!とでも言うように豪快に研究室の扉を開け放った少女。
室内にいた少年は、あからさまに呆れた表情を浮かべて振り向いた。


「……レイア。もしかしてお酒でも飲んでる?」

「もー!ノリ悪いよ!まず言うことがあるでしょ!」


頬を膨らませ拗ねたように怒る少女に、少年は視線を書類に戻しながらあしらうように適当に応えた。


「はいはい、ことよろ」


そんな事より扉を閉めてくれないかな。とでも言いたげに無言で扉を指差せば、少女は素直に扉を閉めて近づいてきた。


「まぁ、いいでしょう!さて、さっそくだけどトリグラフに行こう」

「…レイア一人で行ってきなよ」

「もー!だからノリ悪いって!つべこべ言わずに出かける準備する!」


動かない少年に業を煮やしたのか、少女は少年の肩を掴むと体を揺さ振り始めた。


「ちょ、っちょっと、待ってよ!まだ結果をまとめてな…」

「まとめるだけなら後でもできるでしょ!ほら、早く!」


揺さぶりがひどくなり少年が諦めて書類をデスクにしまえば、満足したのか少女の手が離れた。


「…で?トリグラフのどこに行きたいの?」

「ルドガーの家」

「ルドガー?新年早々押し掛けるつもり?…まさか、御節狙い!?」

「ぴんぽーん!エルがすっごい自慢してたから、どんなのかすごく気になって!で、余ったのでいいから少しわけてもらおうかなぁ…なんて」


てへっ!とでも言いたげに首を傾けて片目を閉じる少女に、少年は疲れたようにうなだれた。


「…ルドガーには連絡した?」

「そこは、ほら…、びっくりさせようかと…」

「タチの悪い迷惑行為でしかないよ…」

「ルドガーなら大丈夫だよ!ジュードと違って優しいし心も広いし!」

「優しいとか広いの問題じゃなくて、僕は一般常識とかマナーの話をしてるの」

「本当に大丈夫だって!エルにOKもらったもん」

「それなら…って、普通は家主のルドガーに言うべきでしょ!?」

「違いますぅ、家主はユリウスさんですぅ」

「人の揚げ足とって得意げな顔しないでよ!」


腰に手を当て見下ろす少女に少年はため息をつくと、重い腰を上げるようにゆっくりと椅子から立ち上がった。


「…というわけだから、早く準備してねジュード」

「…はいはい」


少年が準備する間の暇潰しか、反対側の壁の棚に置いてある道具を少女が珍しそうに眺めている隙に、少年はポケットからGHSを取り出すと何やらメールを打ち始めた。
そして、それを送信したところで少女が振り向いた。


「…準備できた?…って、ちょっとジュード、まさか…ルドガーにメール送ったの!?」

「うん。レイアがルドガーの料理目当てなら、尚更先に言っておかないとルドガーが困るだろ」


返事はヘリオボーグを出る前までには来るだろう。と、少年は再びGHSをポケットにしまった。


「うーん…、まぁ…いっか。それなら、お雑煮もよろしく!ってルドガーに言っておいて」

「だからレイアが言いなって」


そう返したところでタイミングよくGHSが鳴る。


「ほら。噂をすればルドガーじゃない?」


さっきのリクエスト忘れないでね!と念を押しながら身を乗り出してくる少女を軽く手で遠ざけながら少年はGHSを耳にあてたまま扉へと足を向けた。
その後を、足取り軽く少女もついていく。


「……もしもしルドガー?うん、…ごめんね。…そう、うん、これから……」


少女と少年が部屋から出ていき扉が閉まる。
遠ざかる足音に、部屋の机の上のファイルが軽い音をたてて傾いた。









end










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