隔離文2

□無題
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※何となく書き始めて着地点を見失った話。
※色んな意味で、すみません。

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「突然だが。俺たち結婚することにした」


本当に突然、何の前触れもなくユーリとフレンから告げられた報告。
一瞬、動きを止めた仲間達だったが、次の瞬間揃って怪訝そうな表情を向けた。


「………けっこん…?」

「………なにそのあからさまな嘘」


リタのその言葉に、弾かれたように何故かユーリが喜色の声を上げた。


「ほらな!」


得意そうに心持ち顎を上げ隣を見下ろすかのような仕草をするユーリに、どこか納得のいかない表情のフレンが首を傾げた。


「……。聞いてもいいかな。何で嘘だと思ったの?」


その問いにリタではなくカロルが答えた。


「え?嘘じゃないの?」

「……嘘だけど」

「まずフレンとユーリ…ってのがありえないわな」


続くレイヴンの言葉にフレンは諦めたように息を吐いた。


「…性別には寛容かと思っていたんだが…」

「違うわよ。何ていうか…あんたたちは結婚なんて契約に拘らないんじゃないかって事」

「あ。そっちな訳ね」


ユーリが半眼になる。


「どっちも束縛嫌いそうだもんね」

「そうかしら?ユーリはそういう感情には淡白そうだけど、フレンはすごく嫉妬深そうに見えるわ私」

「フレンはすごく心が広くて大らかな方だと思います!広大な愛で相手の心を包み込むような…」


うっとりと目を閉じて両手を合わせて頬を染めるエステルに、リタがどこか嫌そうな顔で異議を唱えた。


「夢見すぎよエステル。あの手の堅物は、表では人の好さそうな笑顔を浮かべてても実は内心では煮えたくってる…っていう、心がものすごーく狭いテンプレタイプに違いないわ」

「…なるほど。リタの僕に対する認識がすごくよく分かったよ」


フレンが肩を落とす。


「お前、腹黒そうだってよ」

「君に言われたくない」


にやにやと腕を組み隣から念押ししてくるユーリの脇腹を小突くフレン。


「きっとそれね。多分、フレンのユーリに対する雑な扱いが、リタの言う腹黒そうに見えるんじゃないかしら?」

「あー、分かるかも。僕も始めはエステルと同じイメージだったけど、フレンと一緒に旅するようになってかなり印象が変わったからなぁ…」

「でもあれは、鎖のない獣に対する躾でしょ?」

「気安さという名の適当な扱いともいうわね」

「愛とは奥深いものなのじゃ」


頷くパティにユーリが虚ろな眼差しで仲間を見る。


「…お前らの俺への認識もよくわかったわ」

「と、特別なことには変わりないですよね!?」


目に見えて機嫌が下降したユーリに、よく分からないフォローを入れるエステル。


「というか、俺たちがそういう関係…ってところはいいのか?」

「あ。むしろそっちのほうは違和感ないわ」


いつ言うのかと思ってたくらい。と、呆れたような表情のレイヴンと仲間達は、ね?と顔を合わせる。


「いやいやおかしいだろ!?」

「…そんな風に思われていたんだな…」


思わず突っ込むユーリに、隣のフレンもまた戸惑いを隠せなかったのか引きつり笑いをしていた。


「…で?なんであんなこと言ったわけ?」


頬杖をつき、どうでもよさそうな表情でユーリを見上げるレイヴン。


「結婚の話か?……そういえば、何でだ?」


少し考え込み、すぐに首を傾げたユーリがフレンを見る。
フレンは頭痛を感じたのかこめかみに指先を押しあてた。


「…まず始めに君が、僕たちの関係を彼らに言うべきか否か?と突然話を振ってきたんだろ。それで、どういう風に説明するべきか悩んで、最終的に“結婚”という表現が一番わかりやすいのではないか?という結論に落ち着いたと思ったら君がまた突然、暴露した後のみんなの反応を賭けよう。って言い出したんじゃないか」

「…あぁ、そうだった。ってことは俺の勝ちなわけだから…蜜蜜ザッハトルテはお前の奢りってことでいいんだよな?」


嬉しそうに瞳を細めるユーリにため息をつくフレン。


「…仕方ない。2個だけだからな」

「いやいや。数は制限なしだろ?」

「それこそ冗談だろ。君にデザートを制限なしで与えるとか、エッグベアに向かって餌を絶えず放り投げているようなものだ」

「デザートは別腹だからな!」

「褒めてない!だいたい、君はいつもそうだ。あの時だって…」


気付けばいつもの言い争い始めた二人。
残された仲間達はそれぞれ顔を見合せた。


「……で。何だっけ?」

「バカップルの交際宣言でしょ?」


ジュディスが困ったように笑みを浮かべたまま首を傾ける。


「あー、爆発しろっていうアレね」

「しかも事後報告だし」

「何となく知ってたからいいけどね」


再び仲間達は顔を見合せて笑った。








end










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