隔離文2

□無題
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※オリジナルです。
※色々と残念な子達。

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「盲目だよな…」
「…お前の目が?」

屋上の片隅。
澄み渡る青空の下。
親友が突然変な事を言いだした。

「違ぇよ。恋だよ恋」
「誰が」
「俺が」
「何をしたって?」
「恋」
「……お前が?」
「俺が」
「………………こい?」
「恋」

すまん。
お前の目じゃなくて、俺の耳の調子が悪いみたいだな。
だって、お前の口から『恋』なんて可愛らしい単語が出てくる日がくるとは思わなかったぜ。

「ある日突然、世界がピンク一色になったんだ」
「…あー…やっぱ聞き間違いじゃなかったのか」
「何ていうか…恋って本当に周りが見えなくなるんだよなぁ」
「もしかしてお前…どっかで頭打ったんじゃねぇ?」
「普通なら苛つくような事でも、何でか可愛く見えたりして」
「俺はすでにお前に対して全力で引いてるけどな」
「そいつの全てが愛しく感じるんだ」
「…あれ?スルー?」
「その存在そのものが俺の生まれてきた意味だったと言っても過言ではない気がするんだよ」
「…って、もしかしてコレ、独り言に返事してた恥ずかしいパターンじゃね!?」
「何かもう、何も見えねぇんだよなぁ」
「……」
「どうするよコレ」
「………」
「マジですげぇな恋」
「マジですごいのはお前の花咲いた頭の中だっつーの……あ」
「何か花が舞ってるんだけど」
「…そうか!俺が耳を塞げばいいのか!」
「これを言葉で例えるならば、きゅんって感じ」
「あーあー聞こえないデース」
「おまえが好きだ」
「…唐突だなオイ。…あ!いや、俺、何も聞こえてないデス」
「むしろ愛してる」
「ごめんなさい」
「…謝られると傷つくんですけど」
「何でそこだけ聞こえてんだよ」

とりあえず治療法の一つとして、こいつの頭を一発殴ってみた。
鈍い音と共に床に沈んだまま動かなくなった物体を視界から外し、青い空を仰ぐ。

「そうだなぁ…」

俺の世界もピンク一色になったら返事してやるよ。

多分、一生無理だろうし予定もないけど。








end








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ギャグを書きたくて色々頑張ってみたけれど、その結果がこのザマですよ。っていう話。
こういうボケとツッコミの応酬は私には無理だと言うのを改めて思い知った良い作品でした。








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